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貸倒引当金


 売掛金、貸付金などの債権には、将来回収不能となった場合に備えて「貸倒引当金」を見込計上することができます。この貸倒引当金には2種類あり、正常債権については「一括評価の貸倒引当金」を、手形交換所取引停止処分などを受けた危険債権については「個別評価の貸倒引当金」を計上できます。

  • 一括評価の貸倒引当金
 一括評価の貸倒引当金は、次の金額の範囲内で認められます。
 ただし、個人事業主については、事業所得があり、かつ青色申告書を提出する場合だけ認められます。
項目 取扱い
対象債権 次のうち、個別評価の貸倒引当金の対象債権(次項参照)に該当しないもの
 ・売掛金、受取手形、先日付小切手、貸付金、割引手形、裏書手形
 ・未収の固定資産譲渡代金、立替金等
 ・地代家賃(個人事業主の場合には、事業所得となるものに限ります)
法人の場合の繰入限度額 @原則
 繰入限度額=対象債権の帳簿価額の合計額×貸倒実績率
A中小法人の特例
 中小法人(期末資本金1億円以下の法人)は、次の金額を選択できます。
  (対象債権の帳簿価額−実質的に債権とみられない金額)×法定繰入率
B協同組合等、公益法人等の特例
 協同組合等、公益法人等は、上記@Aの金額に16%割増しします。
個人事業主の場合の繰入限度額  (対象債権の帳簿価額−実質的に債権とみられない金額)
  ×法定繰入率(千分の55)
なお、個人事業主の場合には、事業所得の債権だけが設定対象です。
したがって、不動産所得となる未収家賃などはこの対象債権に含まれません。

  • 個別評価の貸倒引当金
 個別評価の貸倒引当金の計上は、次の繰入要件に応じて認められます。(法人税法施行令96)
項目 繰入要件 繰入限度額
形式基準  その債務者に次の事実が生じている場合
 @会社更生法の規定による更生手続開始の申立て
 A民事再生法の規定による再生手続開始の申立て
 B和議法の規定による和議開始の申立て
 C破産法の規定による破産の申立て
 D商法の規定による整理開始又は特別清算開始の申立て
 E手形交換所取引停止処分 
(対象債権−実質的に債権とみられない金額−担保権の実行等により取立てが見込める金額)×50%
長期棚上げによる場合  次の事実に基づいて、その債権の弁済が猶予され、又は賦払により弁済される場合
 @会社更生法の規定による更生計画認可の決定
 A民事再生法の規定による再生計画認可の決定
 B和議法の規定による和議の決定
 C破産法の規定による強制和議の認可の決定
 D商法の規定による特別清算の協定の認可
 E商法の規定による整理計画の決定、債権者集会での合理的基準による協議決定、金融機関等の斡旋による協議契約
対象債権−翌事業年度から5年以内の弁済予定額−担保権の実行等により取立てが見込める金額
債務超過の継続等  その債務者につき、債務超過の状態が相当期間継続し、事業に好転の見通しがないこと等により、その債権の一部について取り立て等の見込みがないとき その一部の金額に相当する金額

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